芸術講義

友政麻理子氏 講話

1981年埼玉県生まれ。個人や集団の振る舞いに「型」や「フレーム」を投げ入れることで生まれる他者との理解を探求した映像、写真、インスタレーションを発表※。
2015年水と土の芸術祭では、アートプロジェクトとして、映画をつくる、映画館をつくる、映画祭をつくるというコンセプトで「潟の夢の映画祭」を上映。この映画祭では、葵高等学院製作の短編映画「ミーム」も上映されます。

※友政麻理子氏 バイオグラフィー 
2000年代より発表を重ね、近年の主な個展に『與父親共餐|Have a meal with Father(2013、寶藏巖國際藝術村、台北)、『クリテリオム85 友政麻理子展 “waodori”』(2012、水戸芸術館クリテリオム/)、グループ展に『トーキョー・ストーリー2014 第2期』(トーキョーワンダーサイト)、『Videozoom: Giappone – Reframing the Everyday』(2010-2011、Sala 1、ローマなど)、『金沢アートプラットホーム2008』(金沢21世紀美術館)、群馬青年ビエンナーレ(2008、2011)などがある。



1.「コミュニケーション」を知る。

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ゲームを通じて、自分が思っている事が相手には十分に伝わらない事、相手が思っている事が自分には理解しきれていないと言う事を知る。言葉だけで表されたものを、絵にすると言う作業は中々難しく、それでも楽しい。

生徒たちは、背中を向けあい、一人が絵を持ち、一人が画用紙を持つ。絵を持った生徒が、背中を向けたまま、絵の内容を言葉で説明、もう一人の生徒は言葉だけで絵を描くが、出来上がった絵は・・・。


2.生徒達の将来について

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友政さんが、「つくる」ことを通じてどのようなコミュニケーションを取るのかなどをドキュメンタリーで撮った、「父さんと食事」と「あわおどり」を視聴しながら、表現することについて学びました。

「父さんと食事」…初対面の2人が食事の時だけ親子になる約束をする。自分が他人に伝えたい事がもしかしたら伝わっていないかも、相手の気持ちを100%理解できないから初めてコミュニケーションを取る事が出来る。

「あわおどり」…初対面同士数名が円になり、前の人を真似して阿波踊りを踊る。というシンプルなルールだが、それぞれが真剣な顔をして前の人踊りに合わせて踊っているのだがこれが中々合わない。突然180度回転しはじめる人なども出てきて、本当に合わせる気があるのか?とすら思えてくるが、こういう行為も含めてコミュニケーションの奥深さを知ることが出来ました。


3.生徒の声 「授業を通して、10年後の自分を考える」

●大切な人と一緒にいたい。家族、友達そしてできれば今いる葵の生徒と再会してみたい。プライベートでは結婚して子育てをしているイクメンになっていたい。

●色々悩みながらもなんとか生きていると思います。今よりは充実した生活を送りたいです。

●10年後は結婚して子供がいると思う。子育ての中でアートに触れたり大切なことを一緒に学んでいると思う。

●子供の頃と大人になった時で絵が変わる理由は、ただ単純に大人になれば観察力の発達や、道具を上手く使えるのかなとぼんやり考えていましたが、そもそも物の捉え方が違うということを聞いてなるほどと思いました。ピカソは何故ものすごい画力が備わっているのに大人になった途端あのような絵を描くようになったのか謎が少し解けた気がします。

●自分が他人に伝えたことがもしかしたら伝わっていないかもしれない。相手の気持ちを100%理解できないと理解することで初めてコミュニケーションをとることがきる、と知った。映画も様々な人たちの手にアイデアがわたり相手の気持ちをどのように受け取るのかどうか、他人を分かろうとする機会をえることができた。

 など


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